コストダウンになるタッピンねじを使用したいが、どのタッピンが良いの?
相手材に、雌ねじタップ加工が不要のタッピンねじの使用はコストダウンに直結するので、コストに敏感な構造物の設計者は関心が高いはずです。
しかし、なんとなく、小ねじからタッピンねじへ設計変更する事で、
・構造物の強度が下がるのではないか?
・外部応力への対応が不十分でないか?
・ゆるみは大丈夫か?
心配事は、絶えないはずです。
JISのタッピンねじは、6種類があります。
JIS規格品以外にも、在庫品で入手可能なタッピンねじが多数あります。
*樹脂への締結には、樹脂用タッピンねじの使用がお勧め
- サイマのnon-sert®(ノンサート)は30度山のねじ山を持った、ヨーロッパで主力の樹脂用タッピンねじです。
熱可塑性樹脂(ABS、ナイロン、ポリカーボネートなど)への使用が最適です。 - 二条ねじのPタイト、プラスタイト、ハイロー系ねじも熱可塑性樹脂への使用に優れていて、特に締結時に高速で締結完了できるので(二条ねじなので)、大量生産ライン向きのネジです。ゆるみと繰り返しの使用に弱いので要注意です。
- 熱が発生して、樹脂がクリープ現象を起こす場合には、クリープ対策としてねじ部分にギザギザを持ったねじが有効です。
*ダイカスト、アルミには、2種、Bタイプ、Bタイトなどがお勧めです。
*鋳鉄などの硬い物への締結には、B1などのカット付きタッピンがお勧めです。
最適なタッピンねじの選定には、トルクアナライザーでの、「タッピンねじ診断」をお勧めしています。
詳しくは、サイマへお問い合わせを。

[コラムニスト]
株式会社サイマコーポレーション
グループCEO & テクニカル・セールス
斎間 孝