数か月前に投稿した、低頭系ねじへの反応が長く続いていると、社内の SEO対策担当から話が有りました。
どうやら、頭部高さで2㎜以下の低頭系ねじの使用者で、
・頭部破壊
・六角穴等のリセス破壊
・非締結物の破損からの緩み
の問題を経験しているねじユーザーの方々が、予想以上に多いようです。
「低頭系ねじは小ねじの代わりにしかならない」が正解だと考えています。
世界中で小ねじ(Machine Screws)の呼称で在庫入手可能なのは、M6以下までがほとんどだと思います。
M8以上は極端に小ねじとしての流通は少なくなり、M12などは小ねじは入手できません。
小ねじの強度には限界があるので、あるサイズ以上は六角ボルトなどの形状で流通することになります。
では、何故、低頭系ねじの頭飛びトラブルが収束しないのでしょうか?
理由の一つに、頭部補強の為に合金鋼を使用して強度区分8.8や10.9と表記しているからではないでしょうか?

これには、落とし穴があり、優良なサプライヤーは、
ねじ強度は8.8や10.9ですが、あくまでも5.8程度の強度仕様でお願いします、などの注意書きがあるのです。
実際に5.8の強度区分のねじは流通在庫で存在しませんので、一般的な小ねじの強度区分4.6や4.8での設計仕様でお願いしますと言う裏があります。
我々は、M8,M10の310Slim小ねじを過去15年以上の間に数回試作しています。
・ねじり破壊トルク
・首飛び強度
などのデータが芳しくないので、発売に踏み切っていません。
我々の製造技術が追い付かないだけかもしれませんが。
頭部高さ2㎜以下の低頭系ねじは、「小ねじの代替」として頂くのを推奨いたします。
[コラムニスト]
株式会社サイマコーポレーション
グループCEO & テクニカル・セールス
斎間 孝