ボルトが折れた後の対処法は?
「破壊」と言うキーワードは、ウケが良いようです。
多くの反応がありましたので、今回も破壊についての第二弾です。
ボルトが折れた後の対処法は、その破断面の観察から始まります。
従い、折れたボルトの現物が必要になります。
破断面を、顕微鏡で拡大すると、「脆性破面」なのか「延性破面」なのか、またはその混合なのかの理解が出来ます。
金属組織が脆化した面積、場所などから、大まかに表面処理中の水素脆性問題か、
ボルトを使用している時の遅れ破壊なのかの予測を立てます。

水素脆性問題であれば、
a) ボルト強度の見直し
b) 水素脆性リスクが少ないめっきへの転換
等を検討します。
遅れ破壊が問題であれば、
c) 締結体が使用される環境の改善
d) 湿気対策、ボルト表面のクラック改善
等を検討します。
延性破面であった場合は、過度な応力がかかったことによる破壊を考えます。
e)ボルトの強度
f)ボルトの本数
g)外部応力の向き
h)全てのボルトが軸力保持できていたか
等の検討を行います。
問題の特定から、次のアクションへと移ります。
個々の現場での事象は、こんなに単純ではありませんが、
一つ一つの「疑念」を潰し込む事で、「問題の真因」に近づく事が出来ます。
詳しくは、お問い合わせください。

[コラムニスト]
株式会社サイマコーポレーション
グループCEO & テクニカル・セールス
斎間 孝
