ボルトとナットはどちらが強いのか?
「破壊」のキーワードは受けが良いですね。
Vol.1での読者が多かったので、Vol.2と続編を書きましたが予定を変更して、Vol.3を書きました。
JIS規格上、ナットの強度がボルトよりも高めに規定されていますので破壊問題の大抵はボルト側も問題です。
JIS本体規格、ISO規格では、ナット強度区分とボルト強度区分を合わせて使用するように規定されていますが、
日本では高強度ナットの強度区分表示が無いナットが、一般流通していますので、
皆さんの組み立てた機械などが海外輸出される場合には、トラブルに発展するケースもありますので注意が必要です。
損害賠償裁判などが頻繁に発生する国もありますので。

ナット破壊の場合も、ボルト破壊と同じで、破断面の分析を行います。
寸法、ねじ精度、硬さ、保証荷重試験などを行います。
過去に一度だけ、ナットの磁気探傷試験を行った事があります。
クラックが大きい様子だがとの、疑いで自分試験を行った経験が無かったので、
試験装置を貸して頂ける機関を探し、自分たちで試験を行った事があります。
ボルト破壊のケース同様、簡単に真因には到達しませんが、疑念を潰し込む作業が必要です。
ナイロンナットなどのプリベリング型ナットは、多種ありますのでそれぞれのケース毎にどの様な分析と実験を行い、
そのデータから次のアクションをどうするのかを決めていきます。
破壊対策は、マニュアル化は出来ないので、究極の個別対応です。

[コラムニスト]
株式会社サイマコーポレーション
グループCEO & テクニカル・セールス
斎間 孝
