小ねじ

小ねじ(Machine Screw)は、十字穴小ねじが流通の大半だと思います。
小ねじ破壊で多いのが、十字穴の潰れです。

破壊原因は、
1:十字穴の不良
2:荷重不足(ねじ上部からの押し付ける力)
3:締結トルク過多
が私の経験上多いです。

十字穴の不良は、かつて輸入品に多かったです。
十字穴深さ(q寸)を浅くすると、十字穴部分のある頭部成形が簡単なので、
以前はアジアの海外メーカーではよく見かけました。
日本市場には出回らない十字穴不良品を、インドやミャンマーでよく見かけました。
これを防ぐには、
a)十字穴深さをq寸ゲージで製造過程で計測する
b)十字の食い付きゲージでチェックする
があります。

2の荷重不足は、建築現場などで、ねじの斜め打ちをしている、目線より上部での締め付け作業をしている、
天井部分へなどの締結作業をしている、などで発生しやすいです。

3の締結トルク過多は、手締めをしている場合で、M2-4系の小径ねじを使っている場合に発生します。
手作業でねじ切れるトルクは十分に発生しますので。
トルク測定が同時にできるトルク管理ドライバーの使用をお勧めします。
大量生産時に電動ドライバー、エアドライバーを使用している場合には
トルクチェッカーでその動力ドライバーのトルク測定を行ってから締結作業に入る事をお勧めします。

ヨーロッパでは、一般十字穴よりもカムアウトの少ない「ポジドライブ」が流通在庫で入手可能です。
また、荷重不要のトルクス、ヘキサロビュラー、6ロブなどの星形リセスも一般流通量が多いです。

アメリカ、カナダなどでは、四角穴のネジがDIYショップで入手できます。
カムアウトがありませんので、作業がしやすいネジです。

[コラムニスト]
株式会社サイマコーポレーション
グループCEO & テクニカル・セールス
斎間 孝