クルマを運転しガソリンスタンドで給油をする。勢いよくガソリンが入っていくが満タンになると、自然にストップする―。これは給油装置に組み込まれた「電磁弁」と呼ばれる部品が、ガソリン(流体)の流れを制御するためです。“流体を制御する”という電磁弁の用途は、エアコンや空調機、冷蔵庫、機械など、実にさまざまです。私たちが暮らしていく上で欠かせない製品群に組み込まれ、安全で快適に使うために必要な存在といえます。こうした中、日電工業様(藤沢市小塚)は、昭和23年の設立以来、電磁弁を中心とした制御機器を開発、製造販売しています。今回は同社の齊木光博氏(常務取締役工場長)と、長澤兼氏(営業技術部統括マネージャー)を訪ねました。

お客様プロフィール

社名日電工業株式会社
WEBサイトhttp://www.nichiden-kogyo.co.jp/
本社住所神奈川県藤沢市小塚126番地
事業内容各種自動制御機器製造販売
日電工業(株)様が生産する製品は、ルームエアコンや冷蔵庫など身近な分野から、
自動車の給油装置や燃料、機械を制御する油圧、そして環境・エネルギー分野にいたるまで社会に欠かせない重要な役割を担っています。

インタビュー日時:2021.05.10

インタビュイー:常務取締役工場長 齊木様、営業技術部統括マネージャー 長澤様

インタビュアー:かながわ経済新聞 千葉編集長

齊木氏「ただの商社ではないですね」
斎間「うちは品質管理会社です」

― 長年、電磁弁などを生産していますが、とりわけどんな分野に供給していますか。

齊木氏

当社はエアコンや空調機に使用される電磁弁を中心に製造販売しています。この分野(エアコン・空調機向け)は当社を含めて国内でも3社しか参入していません。当社の場合、カタログに載せるような標準品だけで数百種類もありますが、他社がやらないこともやっています

― 具体的にどんなことでしょうか。

長澤氏

数ある標準品をベースに、お客さんの仕様、規格に合わせ、カスタマイズしています。中には特殊な空調機で使用するため、数個単位しか生産しないものもあります。つまり、セミカスタマイズ製品です。これをやっているのが当社の強みでもあります

― エアコン・空調機分野以外にも、幅広く使われています。

齊木氏

そもそも、電磁弁は流体を制御するのが目的です。エアコン・空調機向けはフロンガスの制御に使用しますが、そうした技術は、水や空気、油、ガソリン、天然ガスなどの流体制御にも活用しています。例えば、ガソリンスタンドの給油装置や、昇降用の油圧シリンダーが使用される理美容・医療用椅子、大型冷凍庫などさまざまです。中でもガソリン給油装置や冷凍車用の電磁弁はシェアが7割ほどあります。各分野でシェアが高いお客さんに対しアプローチしているためです

― 制御機器のため、品質も非常に重要です。

長澤氏

不良品が許されない世界ですので、工場では全数検査を基本にしています。検査する装置も、当社で開発しています。最近では、検査を自動化したいというお客さんもいることから、実際に当社の生産ラインで使用している検査機などの外販も始めました。もちろん、お客さんによってカスタマイズしています

― サイマさんとも10年以上取引があると聞いています。

斎間

当社が主催する、ねじのトルクセミナーに参加いただいたのが始まりです。最初は、ねじだけの取引でしたが、今ではプレス部品など幅広く納入しています

齊木氏

サイマさんは、たとえ海外部品であっても、しっかりと品質検査をした上で販売しています。例えば、ねじ1本でも、そのトルクや強度といった知識が非常に豊富で、実際に評価もしています。サイマさんから購入したものであれば、安心して使うことができます。ただの商社ではないと思います

斎間

当社は商社と言うより、『品質管理会社』と言った方がよいのかもしれません。確かに、十数年前の外国部品は粗悪品ばかりでした。そのため、当時は現地工場にスタッフを派遣、そこで品質検査をし、さらに当社の現地拠点にて再検査、最後に日本国内で検査するという『トリプルチェック体制』を敷いていました。そうでないと不安でお客さんに出荷できない、眠れないという思いでした

齊木氏

これからも仲良くしていただいて、分からないことがあれば、まずサイマさんに聞いてみようという認識です。新しい技術なども、どんどん教えていただきたいと思っています