初めての海外クレーム対応
海外のクレーム対応は日本のそれとは違う。各国、各会社、各担当者で、「色」がある。
私の最初の海外クレーム対応は、社会人2週目。
日本からアメリカへ輸出した、12.9の六角穴付きBT。DIN912のソケットキャップ。
確か、数コンテナ分まとめて、返品要請。
規格と言語、英語でね
スイス人ボスの許可で、クレーム対応現場に同行。
さらに、「Tak(タック)が今回の議事録の下書きを書いてみな・・・」って、
ムリだよ・・・日本語だって書けないよ・・・
ボルトの永久伸びが規格値を超えていたので、アメリカ側(同じグループ会社)は、
使いモノになりませんよ、どうすんのよ、代替品を早く出荷しなさいよ・・・・って感じ。
ボルトの永久伸びって何よ?それも英語で書くのかよ。
日本語でもわからんぞ・・・・
ISO、DIN規格
- 永久伸び
- 引張試験
- 12.9のそもそもの意味
- 鋼製おねじのメカニカルプロパティ
スイス人ボスからは、
「Tak...よく読んどいたほうが良いよ。英語でね、英語で・・・・」
時差と継続的な対話
アメリカとの交渉は時差があるので、お互いの言い分は毎日一通ずつのやり取り。
お互いに毎朝、相手の言い分を読んで、一日またそれを調べまくって、
帰宅前にアメリカへ送る。
そうすると、翌朝、相手の新たな言い分を読まされる....の繰り返し。
ばば(ジョーカー)を掴んだ方の負け。または、負けを認めたら終了。
国際派ねじ屋さん、経験者の共感
30年前の日本の国際派ねじ屋さんは、このやり取りに精通している人がゴロゴロいた。
その人達によく言われていたのが、
「斎間君は、まだ若い。ねじ業界には若手は入ってこない。ねじの輸出も台湾へ取られて日本からの輸出は無くなるよ。でもゼロにはならないから、俺たちが居なくなったら、斎間君のやりたい放題だよ・・・・」
今の日本からの輸出ビジネスは、チョイと違っているが、本質は同じである。
- アメリカとかヨーロッパのバイヤーは、どこも強気なんだよな…
- インドのバイヤーも、違う筋で強気なんだよな…
- イスラエルのユダヤ商人たちも、えげつないしな…
国際派ねじ屋さんの経験者は、同じ経験をしていますね。
もう少し、国際派ねじ屋さん業務で遊ばせてもらおうかな。
まだ引退は先の話です。