
サイマグループが中国に進出したのが2000年ころ。
シートベルトの部品調達先を探す仕事だった。
当時の中国事情を知っている人は想像できると思いますが、ソコソコの苛立ちと、忍耐力と、日本人同士の醜い争いなどがありながらも、立ち上げた中国法人は初年度から黒字でした。
ただし、毎日キャッシュが無い状態で、銀行借り入れしないでどうやってキャッシュを回すのかが、今思い返せば異常な状態が続いていた。
仕事がジャンジャン入ってくるのが原因でしたが。

ルーマニアの話でしたね。
ある共通パーツ品を、日本、タイ、メキシコ、マレーシアのお客様へ上海から出荷するようになり、さらにルーマニアへ出荷することが決定した。
決定したのですが…、いつもお世話になっている物流会社に見積もり依頼。
上海からルーマニア(アラドと言う地方都市)までの、輸送料金の見積もりが待てど暮らせど、来ない。
なんで輸送料金が出ないの?
ルーマニアの陸送料金が出てこないらしい。
理由は、マフィアがらみだと。
この仕事は、日系のお客様がドイツの自動車ティア1企業を買収して、そのドイツ企業のルーマニア工場へ運ぶという仕事だった。
話が進まないので、ルーマニアに行くことに。
ルーマニアと言うか、旧東欧圏は行ったことないんですけど…。
当時のルーマニアは遠かった。
距離だけじゃなくて、気持ちも遠かった。
ユーロが使えない。
クレジットカードも、ナンダカンダで使えない。
お客様がアレンジしたドライバーは、信じられないくらいスピードを出す。
事故を起こしても、何も関係ないような感じ。
まさにマフィア関係者なのかよ…。

ナンダカンダで、取引ルートが出来たらしく、上海から部品を運べるようになった。
誰かが、アンダーテーブルな技を出したのかな。
知らない方が良さそうなので、何も聞きませんでしたけど。
クレームとかあって、またルーマニアに呼び出されたらイヤだな。
損害賠償とかの裁判をルーマニアでやられたら、どうなるのかな。
法定責任者は、オレだし…
当時の旧東欧は、チョイと怖いね。
恐ろしかったね。
この仕事は、もうありませんけどね。